育児等休業期間中の業務委託契約書


従業員が出産その他育児休業や介護休業で、一時的に職場を離れなければならないときに、 会社が代替要員を容易に確保できるとは限りません。

会社が日常の業務に支障をきたすこともあるでしょう。そのことが原因で中小零細企業に育児休業等が普及しないものと考えられます。

そこで、育児や介護の時間の合間に自宅で、会社から仕事を受託できるようにすることで、会社はその従業員に従来から やってもらっていた業務を処理することができ、従業員は臨時的・不定期ではありますが、少ない育児休業給付 (育児期間中は賃金の30%、復帰6ヵ月後に20%)を補う収入とすることができます。

そのためには、機密保持もしくは代金支払等に関してきちんとした契約を交わすことが重要となります。

以下のモデル契約書を参考にして、貴社でも育児休業中の従業員に業務を委託してはいかがですか。
なお、委託業務に係る代金が実質的には「賃金」とみなされた場合であっても、月あたり20日の休日(日祝日を含め)を 確保しており、休業開始前賃金の5割を超えない限り、雇用保険の育児休業給付は全額受給できます。

自宅で在宅勤務として取り扱う方法も考えられますが、出社の義務もなく、労働時間の管理ができない上、 従業員の都合でいつでも業務が遂行できなくなる状況下では、以下のような業務委託という形態がふさわしいと思います。

以下のモデル契約書をダウンロードし、ご自由に編集してください。

実は、弊法人のスタッフが近日中に育休に入る予定です。早速この契約書を彼女と締結し運用していく中で、 さらに改善していこうと考えています。
本稿に対するご意見やご叱責等ございましたら、メール等いただければ幸いです。

2007年6月
社労士法人パートナーズ
代表社員 篠塚祐二

業務委託基本契約書

株式会社○○○○(以下「甲」という)と△△△△(以下「乙」という)とは、甲が乙に業務を委託することについて、次の通り基本契約を締結する。

(目的)
第1条
1.本基本契約は、甲が、雇用契約によらず、乙に甲の業務を委託する場合における個別の業務委託契約に適用する基本的な契約条件を定めることを目的とする。
2.本基本契約は、甲の従業員である者もしくは従業員であった者が、出産・育児または介護等の個人的事情のため、退職もしくは休業せざるを得ない場合に、甲が業務をその者に委託することによって、甲における業務で培った職務能力を活かして、一定の短い期間、僅かでも生活費の上乗せとなることを主たる目的とするものである。

(業務委託契約における雇用関係の不存在)
第2条
1.本契約に基づいて乙が甲の委託により業務を行なう場合は、甲と乙の間には雇用契約は存在しないものとする。よって、乙は甲から個別の業務委託を打診された場合でも諾否の自由があり、受託した場合においては、甲は乙に業務を遂行する手段を指示しないとともに納期の指示以外は時間の管理や拘束をしないものとする。労働者ではないので、労災保険の適用はない。
2.前項により、雇用関係は存在しないため、甲には必ず乙になんらかの業務を委託・依頼しなければならない義務はなく、また、乙には打診された業務を理由なく断ることができる。

(委託業務の内容)
第3条
1.委託業務は、原則として以下の通りとし、個別の委託業務の内容は、甲と乙が事前に金額等の打ち合わせを行ない、甲乙が承諾したときに決定するものとする。
     
     ソフトウェアの設計、開発およびプログラミング
     甲のホームページの更新作業
     その他の甲の業務

2.甲と乙が打ち合わせた経緯および承諾した内容は、Eメール受発信記録または別途作成した覚書によるものとする。

(再委託の禁止)
第4条
乙は、甲から受託した前条の業務を第三者に委託してはならない。たとえ機密保持契約を締結している第三者であっても同様とする。ただし、甲の書面による承諾を得た場合においてはその限りではない。

(権利の帰属)
第5条
1.委託業務の履行に際し開発された成果物の知的所有権は、甲に帰属するものとする。
2.法律上、一旦、乙に帰属する場合の知的所有権についても、本基本契約をもって乙は甲に無償で譲渡しなければならないものとする。

(秘密保持)
第6条
1.乙は個別の委託業務の処理上知りえた甲または甲の顧客に関するあらゆる情報を、本基本契約期間中はもとより、契約終了後も第三者に開示・譲渡・漏洩してはならない。
2.乙は、前項の機密が漏洩しないよう、特にパソコンの、セキュリティを可能な限り堅牢にしておかなければならない。

(仕様の変更等)
第7条
1.甲は、乙に委託した個別の業務について、内容もしくは仕様を変更し、または中止することがある。
2.前項の場合において、甲または乙が、契約金額または納期の変更の必要があると認めるときは、甲乙誠実に協議の上、これを決定する。

(代金支払)
第8条
1.乙は、甲へ納入した成果物について、その代金ならびに交通費等を集計し、毎月15日締めで請求書を送付する。
2.甲は、前項の請求書を精査した上で当月26日までに、乙の指定する金融機関に振り込むものとする。
3.請求書に記載する代金には消費税を記載するものとする。
4.源泉所得税については、所得税法の定めるところによるものとする。

(設備等)
第9条
1.業務に必要なすべての機器、並びにインターネット接続料その他の通信費および光熱費は、乙の負担とする。ただし、甲が業務の処理のために特に必要と認めた機器は無償で貸与することがある。
2.甲から貸与されたパソコン等の機器について、乙には善良な管理者としての注意義務があり、万一、滅失または破損した場合にはその価額の全部または一部を損害賠償しなければならない。

(出社時の交通費)
第10条
1.乙が甲への打合せ、または納品のために出社する際の交通費は、甲が実費を負担するものとする。ただし、甲に事前の連絡なく出社した場合はその限りではない。
2.前項の交通費は、甲の就業規則で定める月額交通費を21で除した金額とする。

(契約期間)
第11条
本基本契約の有効期間は、契約締結の日より1年間とする。ただし、期間満了の3ヶ月前までに甲乙いずれかより契約更新の意思表示があった場合には、甲乙協議の上、延長することがある。その場合における契約期間は1年以内とする。

(その他)
第12条
乙は、委託業務の実施に際し、著作権ほか第三者の権利を侵害しないよう留意しなければならない。

以上、契約の証として本契約書を2通作成し、甲乙1通所持する。

平成  年  月  日

               甲

               乙

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