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改正男女雇用機会均等法2007


働く複数の男女たち 職場における女性に対するセクシュアルハラスメント対策については、 従来から事業主の雇用管理上の配慮義務がありましたが、配慮だけしていればよく具体的な措置を 講ずる必要がないなどといった事業主の認識が不足している場合が見られていました。

このため、改正法では、就業規則でセクハラ防止規定を定めるほか、相談窓口を設けることなど 雇用管理上の必要な措置を講ずることを事業主に義務付けました。
また、男性へのセクハラも増加しているため、女性だけでなく男女労働者を対象とする雇用管理上の 必要な措置を講じなければなりません。

雇用機会均等法が最初に施行されたのは1986年。その後99年の改正を経て今回は8年ぶりの改正です。
まだまだ憲法で保障された男女平等原則が浸透されているとはいえない状況の中で、性別を理由とするもの以外で 実質的に差別となるいわゆる「間接差別」の増加、妊娠・出産を理由として正社員からパートへ処遇変更するなどの 不利益取扱い、また、セクハラが発生した際の対応が問題となっています。

本稿では改正法のすべてを網羅することができませんが、中小企業経営者の皆様にそのポイントをご説明することで、 適正な雇用管理へのきっかけとなればと思います。

1. 間接差別の禁止


「事業主は、性別を理由とする差別が禁止されている事項に関する 措置であって労働者の性別以外の事由を用件とするもののうち、実質的に性別を理由とする差別となるおそれがある 措置として厚生労働省令で定めるものについては、業務の遂行上特に必要である場合、雇用管理上特に必要である場合 その他の合理的な理由がある場合でなければ、これを講じてはならない。」(改正法第7条要旨)

厚生労働省令で定める以下の3つについては、合理的な理由がない場合、間接差別にあたるものとして禁止されました。

ア. 労働者の募集または採用にあたって、労働者の身長、 体重または体力を要件とすること
イ.

コース別雇用管理における総合職の労働者の募集または 採用にあたって、転居を伴う転勤に応じることができることを要件とすること

ウ. 労働者の昇進にあたり、転勤の経験があることを要件とすること

2. 性別を理由とする差別の禁止


男女双方に対する雇用管理上の差別的取扱いを禁止しています。
募集・採用、配置(業務の配分および権限の付与を含む)・昇進・降格・教育訓練、福利厚生、職種の変更・雇用形態の 変更、退職の勧奨・定年・解雇・労働契約の更新と、採用から退職に至るまでのすべての人事雇用管理において具体的に 男女差別が禁止されました。

たとえば、業務の配分ついては、以下の事例は禁止です。

営業部門において、男性には外勤業務に従事させることとするが、女性については外勤業務から排除し、内勤業務のみに 従事させること
ただし、日常的な業務指示において男女を区別することは可能です。

権限の付与については、以下の事例は禁止です。

男性には一定の金額まで自己の責任で買い付けできる権限を与えるが、女性にはその金額よりも低い金額までの権限しか 与えないこと

3. 妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止


妊娠・出産・産休取得などによる解雇のみならず、降格・減給・不利益な 労働契約への変更の強要を行なうことが禁止されました。

また、妊娠や出産等を理由として労働者を解雇することは従来から禁止されていましたが、実際に裁判となったときに、 労働者がそれを立証することは負担が大きいため、改正法では、妊娠中または産後1年以内の解雇は、事業主が、 妊娠等が理由ではないことを自ら証明しない限り無効とすることとなりました。

つまり、立証責任を訴えられた事業主に求めるということです。

4. セクシュアルハラスメント対策


新たに追加された「事業主が講ずべき措置」の内容は次のアからエの4つです。

ア. 事業主の方針の明確化およびその周知・啓発
 

就業規則の規定にある「服務規律」等の中で、職場のおける セクシャルハラスメントがあってはならない旨の方針を規定し、セクハラの内容と併せ、管理監督者を含む労働者に周知・啓発すること
セクハラとなる性的な言動を行った者については、厳正に対処する旨の方針および懲戒処分などの内容を就業規則その他の規程に おいて文書に規定し、それを周知させること

イ. 相談に応じ、適切に対処するために必要な体制の整備
相談に対応する担当者を決めるなど相談窓口をあらかじめ定めておくこと

適切な相談対応ができるよう、その内容や状況に応じて、 相談窓口の担当者と人事部門とが連携を図ることができるような仕組みとすること

ウ. 事後の迅速かつ適切な対応
 

双方から事実関係を確認すること。その際、 相談窓口の担当者だけでなく、人事部門または委員会等が連携して確認するように、場合によっては 第三者からも事実関係を聴取する等の措置を講ずること

 

セクハラの事実が確認できた場合においては、 行為者に対する措置および被害を受けた労働者に対する措置をそれぞれ適正に行うこと。
被害者と行為者の間の関係改善に向けての援助、被害者と行為者を引き離すための配置転換、行為者の謝罪、 被害者の労働条件上の不利益の回復等の措置を講ずること

 

あらためて職場内にセクハラに関する方針を周知させるなどの 再発防止に向けた措置を講ずること

エ.

プライバシー保護のための必要な措置と、 相談したことに対する不利益取扱いの禁止

 

相談者・行為者等のプライバシー保護のために、 あらかじめマニュアルに定めることが望ましいとされています。

                              (文責 篠塚)
                                 2007.2.26

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